歯周外科処置

健康な方のお口の中は歯周ポケットが浅く、出血もなく、レントゲン像では歯の周りの骨が平坦で密度が高い病気になりにくい構造をしています。
しかし、歯周病が進行してしまった方では歯周組織が破壊され歯周ポケットは深くなり少しの刺激でも出血し、歯を支持する骨もがたがたに溶けてしまっています。

このような環境が続くと毎日の歯磨きでも磨き残しが多くなり症状がさらに進み最悪の場合は歯を失うことになります。

歯周外科処置はこのように歯周病により破壊されてしまった歯周組織を再発しにくい環境へ戻すことを目的とした治療で、切除療法と再生療法という2つの方法に分けられます。

1) 切除療法

破壊された病的な歯肉や骨の形を修正することで歯周ポケットをなくし、再発しにくい健康な歯周環境に整える手術です。

2) 歯周組織再生療法

破壊された骨と歯根膜、セメント質をできる限り元あった健康な状態に戻すために行う手術で、当クリニックではエムドゲインゲルを使用した再生療法を行っております。

エムドゲインゲル

エムドゲインゲル使用による再生療法手術件数
2013年 79件
2014年 44件
2015年 43件
2016年 48件

エムドゲインゲル

エムドゲインゲルは、スウェーデンのビオラ社で開発された新しい歯周組織再生誘導材料で、主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は歯が生えてくる時に重要な働きをするたん白質の一種です。高い安全性に基づき製品化されたエムドゲインゲルは幼若ブタの歯胚から抽出し精製したもので全世界で使用されています。

歯周外科手術の際、エムドゲインゲルを使用することで歯の発生過程に似た環境を再現します。エムドゲインゲルは初めて歯が生えたときと同じような強固な付着機能をもつ歯周組織の再生を促す薬剤です 。

作用機序

1骨欠損部にエムドゲインゲルを塗布
2歯根表面に新生セメント質が形成
3セメント質表面にに歯根膜繊維が定着
4新しい歯周組織が骨欠損部を徐々に埋めていく
5骨欠損部が新生骨で満たされ、元に近い機能を回復
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