歯周病と全身疾患

これまで歯周病はお口の中だけの病気と考えられてきました。しかし、近年になって全身の病気との関連性が解明されてきました。ここでは歯周病と関連性の高い病気について紹介していきます。

脳・心血管系疾患

歯周ポケット内の歯周病細菌が血管内に入ると血液中のマクロファージが活性化され血管壁に付着し、そこでタンパク質を貪食して脂質を多く含んだ泡沫細胞になります。その後その細胞が変性して細胞外脂質を作り血管の内側にたまることで血液の流れが悪くなり血管が閉塞、心臓の筋肉に血液が供給されなくなって心筋梗塞を起こします。
また、頸動脈に作られた血管内壁の付着物がはがれて脳動脈を詰まらせることで脳梗塞が引き起こされます。

動画提供:サンスター

糖尿病

歯周病菌が出血を伴う腫れた歯ぐきから容易に侵入します。これらの菌は内毒素を持っており脂肪組織や肝臓からのTNF-αの生産を高めます。
TNF-αは血液中の糖分の取り込みを抑える働きがあるため血糖値を上昇させてしまいます。

動画提供:サンスター

早産・低体重児出産

歯周病は、慢性炎症性疾患で多くの炎症性物質の存在が確認できます。これらの炎症性物質は分娩に関わる物質と共通するものが多く、妊婦は分娩に至る前にこれらの物質が上昇することにより分娩のメカニズムが働き早産を引き起こすと考えられています。また、血管内に侵入した歯周病菌は胎盤を通過し直接胎児に感染し胎児の発育不全を引き起こしているとも考えられています。

(出典:P&G ORAL AND WHOLE BODY HEALTH)

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